第4章 -黄色の先輩-
「黄瀬〜っ!おめーは
中坊に手ぇ出してんじゃねーよっ!」
…⁈
怖い怖いと思っていた男の人が、
突然きーちゃんに飛び蹴りをした。
「笠松先輩!痛いっス〜。
それに、この子は中学の後輩っスよ〜。」
きーちゃんは
わたしの肩に掴まって立ち上がった。
「きーちゃんの先輩?」
「そーっスよ。
ウチの主将の笠松先輩っス!
笠松先輩!このコはチビ桃っちっス!」
「は⁈」
「は⁈って…だから、チビ桃っちっスよ♪」
きーちゃん…相変わらずだな。
そりゃ、笠松さんもわからないよ。
「帝光中の桃井すみれです。
姉がきー…黄瀬先輩と同じ学年で…
わたしも仲良くさせてもらってて…」
「あぁ…そういうコトか。」
笠松さんは納得してくれたけど、
あまりわたしのほうを見てくれなかった。
怒ってるのかな…。
「チビ桃っち、気にしちゃダメっスよ。
笠松先輩は女のコが苦手なんス♪」
「えっ⁈」
突然きーちゃんがわたしに言った。
「黄瀬っ‼︎余計なコト言うな!」
「だってチビ桃っちが
気にしちゃうじゃないっスか〜⁈
いてっ‼︎笠松先輩っ!痛いっス〜!
これから練習試合なのに…っ‼︎」
あらら…。
きーちゃんは、
また笠松さんに締め上げられていた。
「あ!チビ桃っち、時間あるなら、
試合観て行くといいっスよ‼︎」
「え?」
「久しぶりにオレの
カッコいい姿が観られるっスよ♪」
ガンッ‼︎
「おまえはいちいちうっせーよ‼︎
それに今日は、
おまえの出る幕じゃねーよ。」
あはは…。
やっぱりきーちゃんは変わらないな。
「ん〜。でも、友達と来てるし、
別にきーちゃんの試合観てもなぁ…」
「ひどっ‼︎でも、相手校聞いたら、
チビ桃っちも絶対観たくなるっスよ♪」
「…?ドコなの?」
「誠凛っス♪」
「誠凛??」
…バスケ有名なトコ?
あれ?でも、どこかで…⁈
「そっ♪黒子っちがいるトコっス♪」
「黒子先輩っ⁈行く!観るっ!」
黒子先輩…
バスケ辞めてなかったんだ…!
よかったぁ…。