第3章 -誕生日-
「はぁ⁈ゲーセン⁈⁈」
着いた先は近所の
ショッピングモールの中の
ちょっと大きなゲーセンだった。
「うん‼︎こっちこっち‼︎」
わたしは大ちゃんの手を引いたまま、
お目当てのゲームの前に行く。
「おま…⁈コレ…⁈⁈」
「このパーフェクトの景品がほしいの‼︎」
わたしのお目当てのゲームは、
バスケのシューティングマシーンだった。
正確にはお目当てなのは景品だけど…。
時間内に入った点数によって、
もらえる景品が違うのだけど、
パーフェクトだともらえる景品が、
わたしの好きなキャラクターの、
限定の巨大ぬいぐるみなのだ。
大ちゃんには…
ちょっと意地悪だったかな…。
バスケのゲームだなんて…。
でも、ゲームでもいいから、
わたしも久々に大ちゃんのバスケをしてる姿が見たかった。
景品もほしいし…。
「ココのゲーセンの限定なんだって。
…ダメ…かな?」
大ちゃんの顔をジッと見つめると、
大ちゃんは困惑したような顔をしていた。
「…っ⁈ダメなわけねぇだろ?
すみれの誕生日なんだから。」
そう言って大ちゃんは、
わたしの頭をポンとしてから、
200円入れてゲームをスタートさせた。
「やったーっ‼︎大ちゃん、すごいっ‼︎」
結果はもちろん余裕のパーフェクト!
いつのまにかちょっとギャラリーもいて、
パーフェクトの結果に、
ゲーセンの係の人もポカンとしながら、
急いで景品を出して、
わたしに渡してくれた。
さすがに大ちゃんのだとは…
思わなかったのだろう。
「かわいーい‼︎大事にするねっ!
大ちゃん、ありがとう‼︎」
「…っ⁈…おう!ほら、行くぞ!」
ゲーセンで大きな袋をもらって、
わたしたちはゲーセンを出た。