第2章 【遭】-であい-
「私は---」
名乗る程でもないわね
そう呟いて、私は狐へと頭部を変化させ、二人の男の頭に
齧り付いた。
「いただきます」
「「あ゛あ゛あ゛あ゛!!」」
なんとも言えない悲鳴が聴こえる。
そして小さくなる二人の声。
「はぁん…、ごちそうさまぁ」
とりあえず、二人の男の脳髄の「ある部分」を食ってやった。
そこまでの悪事は働いていなかったのか?中々味が薄かった。
でも…
「なんて美味なの…この世界の肉は…」
考えなくとも口の端が上がっていく。
ふふふ、と笑って、目の前に居る二人の男の首根っこを掴み、
近くの窓から放り投げた。
あ、ここって五階だっけ。
まあなんとかなるでしょ
「ふぅ…」
「あ、あのう…」
「ん?ああ、さっきの金髪のk「先程はありがとうございました!」あ、ええ。」
「是非、御礼をさせてください!」
「あ、いいのよ別にそんなこと…」
一部始終を見られていなかったことだけが救いだ。
悪いし、と言いかけてやめた。
ここにもしかしたらネウロが居るのかもしれない。
「ちょっと待っててください、直ぐそこのコンビニでお菓子買ってきますから」
「えっ?いいのよ、別に!」
「1分で戻りますから!」
1分?!
突っ込む前も無く。
その子は走って階段を駆け下りていった。
廊下で待つべきか、中に入るべきか。
後者を選びたかったが、あの子にはまっていてと言われたから、待っておくことにした。
---やっぱり、ここの部屋からネウロの瘴気が感じられる。
私には気付いていないのだろう、多分…今は何かの謎を解き明かすための情報収集でもしてるのではないか。
「ただいま戻りました!」
「っ、本当に一分で帰ってきた!?」
まさか1分で戻るとは。
どれくらいのスピードで走ってきたんだろう。
「まあまあ、早く中に入ってください!」
「え?ええ」
ええー、まんまと中に入れちゃったよー。
ぐいぐいと背中を押されて『桂木弥子探偵事務所』と書かれた扉を開く。
「っ…」
---探偵事務所
そう書かれた板を見て、全てを悟った。
間違いない、ここに居るのはネウロだ。
この女の子を探偵に見かけて、きっとネウロが謎を食べているに違いない。
昔、私のしてきたように。