第2章 【遭】-であい-
「…っと」
時空と堺を切り裂いて落ちたここは、地上…
「げほ、うえ、本当に瘴気が薄いのね…」
ああそうだ、早くネウロを探さなければ。
私は足早に彼の「気配」を探して歩き出す。
「ふむ…今は4時ね…」
辺りが暗くなり始めている。冬だからかもしれないなぁと思いつつ、
薄い瘴気にも慣れてきた身体を一撫でした。
「こっちかな」
暫く歩いた。 人間?とかいう生物が多すぎる。
ネウロはこんな所に居るのか。
そして---その気配を発する人の居ると考えられるビルの前に辿り着いた。
「はぁぁ、でっかいわねぇ」
思わず漏れる感嘆の声。
中川商事と書かれた入り口のドアを開けて、廊下を進んで階段を上がる。
----だっつってんだろ!
----早く出て行けと言っている!
----ここは俺等の場所だ!
----ひっ…ネウロ、どうするのーッ!?
ネウロ?
ぴくり。
ただの不良の争いかと思ったが、一人の女の子だと思われる子の声が聞こえ、その言葉に含まれた一部に反応した。
「魔界777ツ道具、無気力な幻灯機(イビルブラインド)…」
そっと物陰に隠れて狐の姿へと変わる。
それを唱えれば、空中に文様が表示された。
一時的に自分の姿を見せなくする道具。
久しぶりに使ったなぁ、この道具。
普段は拷問器具だけだし。
そんなことを考えながら、音を立てないようにその不良(ヤクザか?)に近づく。
そして聴こえる、中の「人」達が話す声。
「ちょっとネウロ、この人達どうにかしてよっ!」
「知るか。貴様が連れてきたのだろう、貴様で処分しろ」
「処分って…」
「先生、僕は後ろを向いています!純粋な僕の目にその行為は見えません!さあ早く!」
「何で今そのキャラにしたの!?」
助けてええ!という声が聞こえた。
同時に女の子が扉を閉める音が聴こえる。
「丁度いいわ…お腹が減っていたのよ」
音を立てないように走って、近かった距離をぐっと縮める。
「よっ」
ガンッ
背中に回し蹴りを食らわす。
壁に激突した男から、嫌な音が発せられた。
「!?」
二人の男が銃を此方に向けてきた。
「誰だ、てめえは!」
「あ」
あまりにも効果が切れるのが早過ぎる。
確かにこの道具の効果は短いが、流石に短すぎた。
きっと瘴気が薄いのが原因だろう。