• テキストサイズ

あわい夏の夢

第1章 約束


一生忘れられない夏。

私達は、この夏に全てをかけてた。



一章 約束


「ねぇ、三井くん」
「ん?」

高校1年。
私は湘北高校にまだ入学したばかりだ。
わけあって中学は不登校になっていたから
学校なんてくるのは久しぶりで緊張したけど、
私の隣の席の三井寿くんが話しかけてくれたから、少し打ち解けてきた。
お昼休みの今も、一緒にお昼ご飯を食べながら部活について話している。

「三井くんてバスケ部に入るの?」
「あぁ。なんで?」
「噂でね、中学のころ、三井くんバスケすごかったって聞いたから。」
「まぁ、俺だからな」

三井くんはふんっと鼻で笑って自慢げに腕を組む。
彼は高飛車なところがあるけど、まわりをひっぱっていってくれる、そんな面をもっていることを知ってる。

「すごいなぁ、見てみたいや」
「バスケに興味あんのか?」
「うーん、バスケ全然知らないけどね。でも見てみたいかな」
「見に来いよ。たまに見学しにくる生徒もいるらしいから、見に来ても問題ないと思うぜ」
「ふーん、それなら行ってみようかな」
「雪は?部活どーすんだ?」

三井くんはもぐもぐと唐揚げを食べながら聞いてきた。
実はまだ何も決めていない。
やりたいことも何もわたしには無いから、三井くんみたいにまっすぐやりたいことがあるのは羨ましい。

「まだ、、決めてないんだよね。やりたいこともないし、このまま帰宅部かな」
「なんだよ、つまんねぇ」

つまんねぇ、といわれてもね…と、返すと突然何かを思いついたのか三井がにやりと笑った。

「だったら、バスマネやんねーか?」
「え?バスマネ?」
「バスケット部のマネージャー」
「いや、分かるけどなんでそうなった?」

三井くんの考えはたまに突拍子もなくて驚くけど、今が一番驚いてる。
本人はいい考えだろ?とでもいうような自慢げな顔つきだ。いやいや、いい考えだろ、じゃないから。
/ 29ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp