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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第9章  少女の記憶「鬼」


少女は私の後ろに隠れて
顔だけヒョコッと出すと、

「……うん」

そう言って小さく頷いた。

さすがに巨大な閻魔は
怖かったのだろうか。

自分を見た時とえらい違いだな、
と思うとマセガキも
何だか可愛く見える。

「別嬪さんだねえ。何か……少し
鬼灯君に似てる気がして怖いけど」

などと大王が言葉を掛けているが、

私と少女は
耳打ちで内緒話をするのに
夢中で聞いちゃいなかった。

「(デカいおじさんに今度
ドングリをあげてごらん。
きっと、すごく喜びますよ)」

「(うん分かった)」

「君達ね……それ全部
聞こえてるんだからね」
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