第9章 少女の記憶「鬼」
「それじゃしっかり
修行に励みなさいよ」
その後、気の済むまで
ジ◯リネタで大王を
弄り倒した私と少女は、
「うん。また会える?」
「いい子にしてたら
また遊んであげます」
などと仲睦まじく
言葉を交わしていた。
共通の敵(大王)がいると
人の絆は深まるって、
本当だったんですね。
「指切りげんまん、して?」
「おや。可愛らしい」
きゅっ
今にも折れてしまいそうな
少女の指と結んだ約束。
「ふふ、約束だよ」
未だに無表情のままの彼女を
いつか笑顔にしてみせたいと──
私は、
柄にもないことを
胸に誓うのだった。
【九ノ章】
少女の記憶「鬼」___終