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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


「ん、はっ……ぁ」

長い長いキスの後、

怒張した筈の自身を
グッと抑え込んで

白澤は告げる。

「紗英……ちゃん」

愛する男との濃厚な口付けに
恍惚としていた紗英は、
トロンとした瞳を返した。

しかし──……




「僕、もう……君と会うのやめるよ」




男が放った一言は
あまりにも残酷で。

女は一瞬にして目の前が真っ暗になる。

「え……?ど、して」

「ゴメン……自分でも
どうしてか分からない」

「い、や……そんなの嫌!」

紗英は無意識に
涙を零して白澤に縋り付いた。

「君と居ると僕が僕で
居られなくなる。
……辛いんだ、凄く」

か弱く震えるその手を
惨痛の面持ちで振り払って
去って行く白澤が、

紗英を振り返ることは
ついぞ無かったのである。
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