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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


「……お願い、僕を見て」

白澤は両手を紗英の
頬に当てがって、
互いの額を密着させる。

俯き加減に視線を
落としていた紗英が

ゆっくり、ゆっくりと
顔を上げて白澤を見ると──……

「キスしてもいい……?」

降り注いだのは深い口付け。

白澤が落とすキスは
今まで紗英が受け止めた
どんな物よりも甘く、

そして切なかった。

「紗英ちゃん」

角度を変えながら幾度も
紗英の唇を愛でて、

白澤は彼女の名を囁く。

「……紗英」

口内に入り込んでくる熱に
応えたくて、紗英は
自らもまた紅い舌を差し出した。
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