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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


だが檎の勇敢な一言は
功を奏し、鬼と神獣の
突掴み合いは終戦と相成った。

「……すいません、つい
我を失ってしまいました」

「あ、あはは……僕も、
襖壊しちゃってゴメンネ?」

心にも無いとは
こういう事を言うのだろう。

顔が完全にキレたままの
鬼灯と白澤は、建前だけ
取り繕って互いに背を向けた。

「では……ゴンさん
騒動の損害賠償はまた後日、
閻魔庁の方から
連絡させて頂きますので」

鬼灯はその言葉を最後に
部屋を去っていく。

取り残された檎は
無い脳味噌を振り絞った挙句、

「奴さん(若い男鬼)の
引渡しを手伝わにゃいかん」

と呻いて姿を消した。
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