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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


バキィ……ッ!

木製の襖骨が
音を立てて
真っ二つになった。

身体ごと吹き飛んだのは、
なんとも悲しい事に
殴り掛かった筈の白澤で。

振り抜いた拳に薄っすらと
血を滲ませて鬼灯は言い放つ。


「痛いですか?」


怒れる鬼は恐怖に慄く
紗英と檎の横を
スルリと通り抜けて、

襖と一緒くたになって
倒れる白澤に歩み寄った。

「ひっ」

檎が情けない悲鳴を漏らす。

鬼灯が白澤の髪を
鷲掴みにしたからだ。

「な……に、すん…痛っ……!!」
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