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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


まさに一触即発。

薄氷を踏むような
張り詰めた空気が場を支配した。

白澤は掴んだ鬼の腕を
未だに離そうとしない。

「……いい加減にして下さいよ、
うちの部下(バカ)を警察に
引き渡す手続きがあるんです」

淡々と、
しかし誰が聞いても分かる程
怒りを孕んだ声で鬼灯は話した。

対する白澤は
沈丁花に似た
朱色の目元を歪ませて、

鬼灯の胸倉に掴み掛かる。

「……も……だよ」

「は……?」

「そんな事どうでもいいんだよ!!」

後に檎は語る。

「白澤の兄さんが
あげに怒った姿を見たんは
アレが初めてじゃ」と──
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