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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


「では私はこれで」

カン、カンッ
煙管を灰皿に打ち付ける
音が女郎部屋に響き渡る。

白澤の目に映るのは、

金棒片手に立ち上がる鬼灯と
涙目でへたり込むポン引き狐。

それから──……

明らかに鬼灯の物と分かる
羽織を肩にかけた紗英の姿。

「……っおい!待てよ!」

白澤は声を荒げて唸った。

骨が折れそうな程
強く掴まれた腕を
チラ、と一瞥して鬼灯は返す。

「事情ならゴンさんから
聞いて下さい……私は、
まだ仕事が残ってますので」

檎は心臓が縮む思いで
二人の睨み合いを見つめていた。
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