• テキストサイズ

(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


だらしない身体を曝して
男鬼は気を失った。

鉄槌を下した鬼灯は
ふと我に返って
後ろを振り向く。

「……紗英さん」

怯えた眼
震える体

鬼灯は慌てて紗英に駆け寄ると、
自らの羽織りを脱ぎ捨て
はだけた彼女の肌に被せた。

「鬼灯……様」

ほろり、紗英の瞳から
流れ落ちる透明な雫。

「……っ」

苦しげに眉根を寄せて、
鬼灯は紗英を抱き締めた。

きつく
きつく

彼の優しさが、傷付いた
女の身体を包み込んでいく。
/ 216ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp