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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


「ぐ……っう、うう」

先程まで紗英に覆い被さっていた
男鬼は、数メートル先の壁に
身体を強打して呻いていた。

側頭部からはつう、と
一筋の血液が流れている。


「………」


鬼灯が無言のまま
金棒を振りかざす。

その表情に浮かぶのは
【無】でしかなく、
怒りや憤りは見て取れない。

「ひィ……っ、た、たっ
助けてくれェェェ……!!」

男鬼の悲痛な叫び。

しかし、それが冷徹を極めた
鬼灯に届くことは永遠になかった。
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