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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第8章 【沈丁花讃歌】


紗英は男鬼に見覚えがあった。

先日の運動会
握られた手
赤色に染まった顔

借り物競争で紗英を連れて
ゴールテープを切った獄卒だ。

「……ええ、覚えています」

紗英はあくまで
嫋やかに返答をする。

この場を早急に収め、
男鬼に帰ってもらわなければ。

白澤が遊びに来てしまう前に。

「本当ですか!?
うっ……うわあ、嬉しいス!」

体育会系なのだろうか。

男鬼の可笑しな敬語に
紗英は苦笑して、
袖で口元を隠すのであった。
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