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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─
第8章 【沈丁花讃歌】
かくして店内に通された
若い男鬼は、緊張の面持ちで
豪華な襖に手を掛けた。
「……え?」
白澤に似た白地の打掛を
羽織った紗英はポカンとする。
しかし彼女の事情など
知る由もない男鬼は、
ヘラリと笑って敷居を跨いだ。
いや、跨いでしまった。
これが引き金となって
修羅場が起きることは
容易に想像が付く。
紗英は血の気が引いた。
ポン引きが何を
ミスったのかは知らないが
兎も角、この状況はマズい。
「あ……あの……俺のこと
覚えていらっしゃいますか」
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