第2章 【ぼったくり妓楼】
「僕、もっとしたい」
キスが落ちるたびに
可愛い水音が鳴った。
「ねえ……ダメ……?」
白澤が耳元で
吐息混じりに囁くと、
紗英の身体が
僅かに熱を帯びる。
「んっ……だって、
白澤様と仲良くしすぎると
オーナーが怒るから」
「オーナー?……ああ
妲己(ダッキ)ちゃんか」
「この間だって……
ひどく怖い顔で睨まれたし
妲己様はお怒りになると
怖いんです。すごく怖い」
「じゃあ、僕がうまく
言っといてあげるよ」
無問題(モウマンタイ)!
だからもう一回戦、ね?
白澤は満面の笑みで告げて
紗英の身体を抱き寄せた。