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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第5章 【ジレンマ】


鬼灯様は多くを語らず
その親指で私の涙を
拭い取ってくれた。

普段は地獄一恐ろしい
鉄面皮が、今だけは
なんだか優しそうに見える。


・・・ふわり


涙で霞んだ視界が
漆黒のお着物で塞がれた。

伝わる鼓動
温もり
煙管の匂い

気のせいかな。

私を抱き締める
鬼灯様の腕が
ほんの少しだけ震えている。

「ほ……っ鬼灯様……!
……お戯れが過ぎます」

「私は冗談で女性の
身体に触れたりしません」
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