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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─
第4章 【天高く神獣肥ゆる秋】
「えっ……?
ちょ、ちょっと!」
返事も聞かずに
紗英の手を握って走り出す男鬼。
その顔面は熟したトマトよりも
真っ赤に染まっている。
「紗英ちゃ〜ん」
ひらひら、と手を振るのは
天国で漢方薬局を営む白澤だ。
彼は救急係として
毎年地獄運動会に
派遣されているのである。
「白澤様……!」
思いを寄せる白澤の姿に
紗英は頬を赤らめる。
その様子を、
鬼灯の吊り目が
ジッと見つめていた。
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