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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第20章 密やかな幕引きを貴方と


徐々に薄れ行く
紗英の身体に、白澤は
縋り付くようにして
泣きじゃくった。

「僕のせいだ……全部、全部!」

熱い涙の雫が幾度となく
冷たい紗英の手を濡らす。

「……やっと、君を……っ
愛してるって……!僕には、
君しか居ないんだよ……!」

辿々しい言葉で叫び続ける
白澤の目元は、化粧が溶けて
真っ赤に染まっていた。

それはまるで血の涙。

彼の心が流す血液は
止めどなく、延々と流れては
虚しく地獄の闇に消えていく。

「白澤の兄さんっ……!」

檎が地蔵菩薩を連れて
戻って来た時、紗英は
その身体の殆どが薄れ、

消えかかっている状態だった。
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