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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第19章 ワカレノウタ


「聞いたでしょう?
早く天国にお帰んなさい。
地獄(ここ)は……私達の
生きる場所なんですから」

鬼は人差し指で上を
指し示してみせて、
小生意気に首を傾げた。

まるで全身の血液が
沸騰したかのように
体が熱くなっていく。

目の前が真っ赤に
染まっているのは、

地獄の業火が
そうさせるのだろうか。

「……っお前さえ、
お前さえ居なければ!」

言いながら掴みかかった僕を
赤子の手でも捻るかの様に
払い除けて、鬼は拳を振り抜く。

痛い。痛い。痛い。

思わず涙が零れそうになって
僕は、その場を逃げ出すように
走り去ろうとしたんだ。
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