第19章 ワカレノウタ
「君も、僕から離れて
………鬼を選ぶんだね」
止められなかった。
言っちゃいけないと
分かってても、
悔しくて
悲しくて
自分が悪い事なんて
全部、棚に上げて
僕はまた君を傷付ける。
「皆そうだ……皆ね、
結局は僕じゃなくて
仏頂面の一本角に惚れて
去って行くんだよ……!」
何を言ってるんだ。
去ったのは僕の方だろ。
狂おしい程に愛し合った
澄んだ瞳が、そう訴えている。
「……私は……っ
私を、他の女性と一緒に
……しないで下さいませ」
君が突き放した台詞は
あまりも冷え切っていて、
僕は改めて自分の
罪深さを知ったのだった。