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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第16章 【ティファニーで夕食を】


「み、見てないですよ」

苦し紛れに言った私を
地獄の鬼が見つめている。

「……本当に?」

その鋭い瞳に捕らわれて
心臓が大きな音を立てた。

ドクン
ドクン

全身の毛細血管が
これでもかと
血液を廻らせる。

私は何も言うことが出来ず
良くアイロンの掛けられた
シーツをぎゅっと掴んだ。

「紗英さん」

鬼灯様は低く私の名を呼んで、
読みかけの本を静かに閉じた。

彼のいるベッドと
私のいるベッドの距離は
50cmといったところか。

遠いようで近いような
微妙な距離感が
途端に短かくなる。

ドサ……ッ
そんな音が耳に響いた時
私の身体は鬼灯様に
押し倒されていて──……
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