第16章 【ティファニーで夕食を】
「………」
ふと目を開けると、
薄明かりの中で本を読む
鬼灯様が隣に居た。
今何時だろう。
ぼんやりとする頭で
そんな事を考えて、
分厚い英語の本に
目を落とす横顔を見つめる。
(……肌真っ白)
女の私でも羨ましくなる
漆黒の艶髪と純白の肌。
中性的な面立ちなのに
背は高いし身体付きも
中々男らしい。
幼い頃から一緒にいるから
意識したことなかったけど──……
(道理でモテる訳だ)
私はもこもこした枕の影から
そっと、そんな事を思うのであった。
「可愛い顔して見つめてると
犯しま……食べちゃいますよ」
「えっ……!?」
「さっきからずっと
私を見てたでしょう」