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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第16章 【ティファニーで夕食を】


壁越しに聞こえる
シャワーの水音に
耳をすませば、

思い浮かぶのはやはり
鬼灯様の可笑しな一言で。

「私、脱ぐと結構
すごいんですよ?」

脱衣所からヒョコッと
顔を覗かせた彼は、

またもや突飛な台詞を
言ってのけてバスルームへと
姿を消したのだった。

(確かに……鬼灯様って
意外と鍛えてそうだな)

見慣れぬ高級ホテルの天井に
そんな下卑た想いを浮かべて

独り、自嘲気味に笑う。

ふかふかのベットと
初めての時差ボケ。

長時間飛行機に乗った
疲れもあるのだろうか。

私が眠りに落ちるまで
そう時間は掛からなかった。
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