第16章 【ティファニーで夕食を】
数時間後
アメリカ合衆国
The Plaza Hotel
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7歳で現世を去るまで
短い人生の殆どを
病院で過ごした私は、
海外は愚か
県境すら跨いだ事が
なかったのだけれど──……
「This is for you.
(はいこれチップ)」
「Thank you sir.
(有難う御座います)」
よく知った筈の補佐官様は
小洒落た洋服に身を包んで
外人のホテルマン相手に
手際良くチップを渡していた。
現世TVで見たことあったけど、
アメリカ人って本当に
目が青いんだ。綺麗。
「……鬼灯様って
英語喋れたんですね」
「私を誰だと思ってるんですか」
無表情で小首を傾げる
彼の瞳の中には、
闇夜に輝く摩天楼が
燦々と輝いている。