第16章 【ティファニーで夕食を】
その後、酸欠寸前で
目を覚ました鬼灯様。
彼は人差し指に
ありったけの力を込めて、
私の頬をグリグリする。
「……私を殺す気ですか」
「滅相もないです。あと痛い」
いつ見ても肝が冷える
極悪面の頭上には、
可愛らしいキャスケット帽が
目深に被せられている。
「(帽子持ってるなら最初から
被ってれば良いのに……!)」
相変わらず頬をグリグリ
されながら彼を睨むと、
「何ですか。その生意気な目は」
鬼灯様は低く唸って
より一層の力を
指に籠めるのであった。
「痛だだだ!頬が!穴開く!」
「Shut fuck up!!
(うるさい黙れ!)」
「(ドSジジイ……!!)」