第16章 【ティファニーで夕食を】
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「あっ……アメリカ?!」
自分でも驚く程の
素っ頓狂な声が出た。
「ハネムーンと言ったら
アメリカ合衆国でしょう」
ミシュランガイドを片手に
真剣な顔で言い放つ男。
魔女の薬で人間に化けているが、
実のところただの鬼灯様である。
「私はまだ結婚するなんて
一言も言ってません……!」
「でも、その気で私の部屋を
訪ねて来たんでしょう?
白 豚 に 捨 て ら れ て」
「……わざわざ傷口に
抉り込まないで下さい」
ここは日本上空
高度一万メートル
地獄を飛び出した
(無理やり連れ去られた)
私は、鬼灯様と共に
飛行機に乗っていた。