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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第15章 出発前夜


「痛ああ!」

突如として頭を突き抜けた
激痛に紗英は悲鳴を上げた。

「そりゃ痛いでしょうよ。
何せフルパワーですから」

「うう……鬼」

「元より鬼です。大体ね
遊女なんて辞めなさいと
散々言ったでしょう」

それ見たことか、と
言いたげに彼女を見据える
鬼灯は淡々と言葉を連ねて
更にもう一発デコピンをかます。

「痛!ちょ……っもう!
やめてよ鬼灯様の馬鹿!」

「親に向かって馬鹿とは
何ですか!もう一発!」

「うぎゃっ!」

その後暫く
鬼灯の地獄デコピンを
喰らい続けた紗英は、

「……鬼畜ジジイ」

赤くなった額を押さえて
涙ながらに呻くのであった。
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