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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第15章 出発前夜


一体何がどうして
こうなったのか。

難しげな書物や雑貨で
埋め尽くされた鬼灯の部屋に
紗英は座らされていた。

「粗茶です。どうぞ」

自信ありげな低音ボイスで
熱々の湯呑みを差し出される。

普通そこは
「粗茶ですが」
だろうと、

紗英は心中で思ったが
突っ込んだりしたら
ブッ飛ばされそうなので
黙っておいた。全力で。

「う゛……苦い」

湯呑みに口を付けた紗英は
顰めっ面で舌先を出した。

「私特製の薬膳茶です。
良薬口に苦し、元気が
出て来るでしょう?」

「苦過ぎて……元気を
吸い取られそうです」

「……また減らず口を」
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