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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第14章 薄れゆく温もりの中で


「おい!お前……っ
酷い熱じゃぞ……!」

着物越しでも充分に
伝わる程、紗英の
肌は体温が高かった。

慌てて彼女の顔を
覗き込んだ檎は、

その白い肌に浮かぶ
大粒の汗に目を見開く。

「こりゃァいかん……!
すぐに医者に見せにゃ!」

「……檎、」

虚ろな目で檎を見つめ返す
紗英の声に生気はまるでない。

「私なら大丈」

「大丈夫な訳ないじゃろが!」

彼女の強がりを遮った檎。

彼は既に紗英の
手を引き休憩室へと
足を進めていた。

檎の秘めたる恋心を
彼以外に知る者は居ない。
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