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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─
第14章 薄れゆく温もりの中で
「(……頭、痛い)」
白澤という上客を
失ってから数日間。
紗英は座敷に出て
他の遊女を手伝う、
謂わば見習いと同じ
仕事をこなしていた。
毎晩のように涙を流し、
泣き腫らした目元からは
クマが引かない日々。
それを見かねた檎が
座敷に上がることを
控えさせたのである。
「……ちょいと紗英ちゃん、
まともに飯食っとるか?
随分痩せたみたいじゃが」
妓楼裏手で雑巾絞りを
していた紗英の背に
檎はそっと手を置いた。
途端、彼の表情が険しくなる。
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