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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第13章 【花街ドランカー】


「紗英さん?」

男の低い声がした。

抜き襟から覗く白い背が、
クルリと後ろを振り向く。

「鬼灯様……!」

久方ぶりの再会。

見事なまでに小粋な遊女に
成長した紗英の姿を見て、
鬼灯は深い溜息を吐いた。

まるでグレた娘を持つ
父親の気分だった、と後に
彼は部下に愚痴る事になる。

しかし、それ以上に
彼は思うことがあった。

「(……似てる)」

憧れて止まない
ミステリーハンターの
お姉さんに、口元が。

それって似てるうちに入るの?

方々からそんな疑問が
聞こえてきそうだが、
彼曰く「入ります」らしい。
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