第13章 【花街ドランカー】
「随分とまあ……綺麗に
なっちゃって。立派立派」
適当に拍手をしてみせて
鬼灯は得意の凶悪面をした。
可愛い紗英が白澤の為に
身体を売るなんて、
やっぱり非常に面白くない。
しかも、自分の
(めちゃくちゃ)
タイプの女性に
成長したとあっては尚更だ。
「私はこんな子に育てた
覚えはありませんけどね」
殺気すら放ちつつ
言う鬼灯に、紗英は
「(鬼灯様ってこんなに
顔怖かったっけ……?)」
肝を冷やして顔を
青くするのであった。
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皮肉ってみせた
だって、悔しかったから
(本当に綺麗になったな)
鬼の心を吹き抜ける恋風
始まりの鐘が暗い地獄に
颯爽と鳴り響いた。
【十参ノ章】
花街ドランカー___終