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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第13章 【花街ドランカー】


静けさを取り戻した
座敷に残るのは、
皺の寄った布団と愛の余韻。

虚無感にも似た夢の痕を
名残惜しそうに見つめて

白澤は身支度を整えた。

「また会いに来てもいい?」

相変わらず飄々とした
彼の目元がふわりと綻ぶ。

「……ええ」

紗英は乱れた髪を
手櫛でそっと整え
微笑み返しをした。

「毎日通っちゃうかも」

「嘘ばっかり。いやな人」

「あのね、前にも言ったけど
ワタシ嘘付かないホントアル」

「ふふ……可笑しいの」

この時、紗英の胸が
張り裂けんばかりに
高鳴っていたことを

白澤は知らない。
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