第13章 【花街ドランカー】
「……はい」
紗英の返事を聞くか聞かぬか。
待ちきれずといった様子で
白澤が首筋に顔を埋める。
酒の入った彼の身体は
常人より幾分か熱っぽい。
「……あっ」
鎖骨から耳の裏にかけて
ぬるりと白澤の舌が走った。
言いようのない疼きが
紗英の下腹部を襲い、
彼女は無意識に腰を
突き出してしまう。
衣擦れの音と
女の善がり声
淫猥な響きは波紋のように
静かな部屋を満たしていった。
「紗英ちゃん……良い匂い」
白澤は自身の細い指を
忙しく上下する紗英の
胸元に滑り込ませる。