第11章 少女の記憶「夢」
「紗英さんも……どうして
こんな男の家に来たんです?」
鬼灯様曰く、子供とは言え
亡者が勝手に地獄を
抜け出すのは禁止らしい。
白澤様は特別ルートで
(空を自由に飛んで)
天国と地獄を行き来するから、
門番にバレなかったのだ。
「ドングリ貰いに来たの」
「ああ……なるほど。
では帰って閻魔殿に
届けてあげましょう」
言いながら鬼灯様は
私の手を引いて立ち去ろうとする。
壊れたドアから出る際、
後ろを振り返ってみると
笑顔の白澤様が手を振ってくれた。
両鼻にティッシュ
詰まってたけど。