第11章 少女の記憶「夢」
地獄への帰り道──
「ドングリ以外にも
良い物貰ったんだよ」
「は……?」
「白澤さまがね、
地獄に帰ったら鬼灯さまに
プレゼントしてやれって」
私の発した言葉に
切れたナイフのような
吊り目をスッと細めて、
鬼灯様はしゃがみ込んだ。
「どれ。見せてご覧なさい」
「これ」
「………っ!」
「ろくびんっていう
お薬なんだってさ」
それが滋養強壮に効く
鹿鞭(シカのアレ)で、
鬼灯様も薬学に通じてると
私が知ったのは──……
だいぶ大人になってからの事だった。
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鬼灯「こんなモンなくても
全然勃ちますんで死ね淫獣」
白澤「人の善意をフルパワー
悪口で返すなよ地獄に堕ちろ」
鬼灯「元来地獄民だナメんなコラ」
(二人の不毛な言い争いは
夜明けまで続いたんだとさ)
【十壱ノ章】
少女の記憶「夢」___終