第11章 少女の記憶「夢」
ドガシャーンッ
「幼気な亡者(こども)に
何さらしとんじゃ淫獣爺!」
「ぶべらっ!」
別れは突然やってきた。
けたたましい音を立てて
白澤家のドアが吹っ飛び、
世にも恐ろしい鬼が……
否、鬼灯様が迎えに来たのだ。
「鬼灯さま!」
私は見覚えのある一本角に
パッと両腕を広げて
鬼灯様に駆け寄っていく。
ちなみに、
豪速球で飛んできたドアに
見事ブチ当たった白澤様は
「……リアルにお星様が見える」
などと呻いて鼻血を垂らしていた。
「地獄(ウチ)の子にまで
手出しやがって……!!」
怒った鬼灯様の顔が
悪夢に出そうなレベルで
恐ろしかったのは、
(口外したら後が怖いし)
私の胸に仕舞っておこう。