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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第11章 少女の記憶「夢」


「ねえ白澤さま」

「なあに?」

「私と結婚して」

彼の家に来てから数時間後。

そろそろ帰る時間が
近付いている事を悟った私は、
奇想天外なことを言った。

白澤様は美麗な唇を
「うーん」と尖らせて
企み顔をしている。

「じゃあさ」

彼と離れたくない一心で
口から出てしまった言葉。

そんな子供の戯言に
白澤様が出した答えは──

「大人になったら会いにおいで?
その時は紗英ちゃんを
お嫁さんにしてあげる」

これまた月並みな台詞と
ちゅ、と可愛い音を立てる
おでこへのキスだった。
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