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(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第11章 少女の記憶「夢」


「ねえ、今度は僕が
質問してもいいかな」

薬棚にある物を一通り
答えさせられた後で、
白澤様は小首を傾げて

ふんわりと笑った。

「うん!」

とても笑顔の似合う方だと思う。

喩えればそれは
まるで花の様な。

花が綻ぶと心が癒されるように、

彼が微笑むと優しい気持ちで
胸が一杯に満たされるのだ。

「君の名前。聞いてもいい?」

白澤様は優しげに
目元を細めて問う。

私は幼い頬が少しだけ
赤くなるのを感じながら、
ぽそりと呟いた。

「紗英」

可愛い名前だね。

そう彼が言ってくれたことは、
多分一生忘れられないと思う。
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