第11章 少女の記憶「夢」
「海狗腎(カイクジン)」
「か、い……くじん?」
「そう。あれも男子の体を
元気百倍にしてくれるんだ」
白澤様が教えてくれる
お薬の話はどれも面白くて、
私は色んなことを聞いた。
「コレも男の子の薬?」
「是啊(その通り)!
広狗鞭って言ってね、
要は犬の……アレね」
「アレ?」
「禁じられた玉」
白澤様は大真面目な顔で
そう言うと、突然プーッと
噴き出して笑いだす。
当初は「面白ーい」だなんて
素直に受け止めていたが、
思い返せばあれらは全て
精力剤の類だったんだと
思うと心中複雑だ。かなり。