• テキストサイズ

(R18) 雑草ノ花 (壱) ─鬼灯の冷徹─

第11章 少女の記憶「夢」


「ねえ、ドングリのおじさん」

白澤様がくれた中華風の
巾着袋をドングリで一杯にして、
私は家の中をくるりと見回した。

「あれは何?」

「ああ……あれはね、
鹿茸(ロクジョウ)だよ。
男の子が元気になる薬」

それから何度も言うけど
僕はお薬屋さんだからね。

おじさんじゃなくて
お兄さんだし、ねえ

僕の話……聞いてる?

白澤様は漢方薬局の
カウンターにもたれて
必死に喋っているが、

私の耳には微塵も
届いていなかった。

「ふーん。じゃあアレは?」

だって、白澤様のお家って
不思議な物で溢れてるんだもん。
/ 216ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp