第14章 始まる
プルル…プルル…
夏休みの午前。
電話の音で、目を覚ます。
着信…真司
「もしもし…」
『…もしかして寝てた?』
「寝てたよ。昨日、後輩に借りたラノベ読んでたら、寝るの遅くなっちゃって…」
『来ないのかい? 部活』
「えっ? 今日、部活の日だっけ? 忘れてた…。真司、ごめん。風邪気味だから休みますって部長に伝えておいて」
『しょうがないな、まったく』
「うふ…部活終わったら、家にお見舞いに来てくれる?」
『はいはい。じゃあ、後でメッセするよ』
「後でね」
時計を見る。もう10時近い。
夏休みの朝寝は気持ちいいなぁ。
私は伸びをする。
…
私たちは文芸部に入部した。
私が「やっぱり文芸部に入部したい」と真司に相談したら、
「なら、僕も文芸部に入部する。もう僕は今さら、君のいない放課後の過ごしかたをわからない。
それに部活動をしていたら、大学入試にプラスになることもあるかもしれない」
と言って、一緒に入部した。
でも結局、熱心に活動しているのは真司のほうだ。