第12章 夢
その後、特に変わらない生活を送ってる。
鈴木くんは私には話しかけてこなくなったけど、真司にはたまに声をかけるらしい。
と言っても、部活の勧誘については部室まで連れて行ったことで満足したのか、しつこく誘われることはなくなったらしい。
「じゃあ、どんな話をするの?」
私は真司に聞いてみる。
「今、何読んでるの? とか、今日は暑いなとか、宿題難しかったな程度のことだよ」
「ふーん」
それって結構友達じゃね? と、私は思う。
言うと、反論されそうなので言わないけど。
いや、言ってあげたほうがいいのかな?
うーん、わからない…。
だいたい真司が何を喜んで何を嫌がるのか、私には正直よくわからない。
よく付き合ってるなぁ、私。
でも、こういうのってお互いさまっていうから真司も私のこと、そう思ってたりするのかなぁ。
「ねぇ、聞いてる? みなみ」
学校の帰り道を並んで歩いてる私たち。
あ、そういえば変わったことあった。
学校から直接、一緒に帰るようになった。