第9章 大人
朝が来た。
朝が来ちゃった。
真司と朝を迎えてみたかった。
でも、夜が終わっちゃった。
朝の光が差し込む私の部屋。
彼はまだ眠ってる。
私の隣で。裸のままで。
こうして彼の寝顔を眺められるなんて、先に起きて得した気分。
いつまで見てても飽きないと思うけど、私はそっと身体を起こす。
床に脱ぎ捨ててある下着やパジャマの中から自分のパンツを探して履く。
「どこか行くの…? みなみ」
彼がむにゃむにゃしながら尋ねる。
「コンビニで朝ごはん買ってくる。真司、サンドイッチとおにぎりどっちがいい?」
「おにぎり…僕も行く」
「ダメだよ。日曜の朝に家から男の子と出てくるのなんて、近所のおばさんに見られたらヤバイ」
「なるほど…それもそうだね」
「寝てていいよ、真司」
「うん…じゃあ、いってらっしゃいのチュー…」
彼が私の身体に手を伸ばす。
私は彼の唇にキスする。
彼は私の後頭部に手をまわし、唇に舌を差し込もうとする。
「ちょっと…いってらっしゃいのチューって、普通、舌入れないんじゃない?」
「朝ごはん…」
「きゃー」
彼が私をベッドの中に引きずりこむ。
…