第7章 恋
お風呂上がりに、コンビニで買ってきたジュースを飲む。
のんびり、まったり…気持ちいい。
「みなみ…さっきの話だけど…」
「うん?」
真司が少し真面目な顔で、私に語りかける。
「結婚は…もう少しまともな人としたほうがいいよ、みなみは」
「…真司、まともじゃないの?」
「うん、多分…。友達とかいないし」
「わたしもいないよ!」
私は胸を張って答える。
「いや…みなみはいただろ? 友達…」
「そうだけど…いなくなっちゃった」
私の目から、ぶわぁっと涙がにじんでくる。
普段、気にしてないつもりでも、なんかのきっかけで、感情があふれてくることってたまにある。
「え…あの…よしよし」
彼が私を抱き寄せて、よしよしする。
「うっそぴょーん」
私は笑顔で顔を上げる。
普段あんまり気にしてないから立ち直りも早い。
「え…え…嘘泣き…?」
彼がびっくりする。
嘘泣きってわけでもないと思うんだけど…そうなのかな?
「わたしとずっと友達でいてくれたのは真司だけ」
私は笑顔で、彼に言う。
「友達…? 僕と君が?」
「うん。高校入ったばかりの実行委員のとき、真司言ったよ。僕と友達になろう、って。
そのときから、わたしたち、ずっと友達だよ」
私はにっこり笑う。
彼はぼんやりと私の顔を見つめる。
……?
……!
彼の目から涙がこぼれた…。
「え! あ…あの…えっと…どうしたのかなー…?」
私は超焦る。
真司が泣いたのなんて初めて見た…。
とりあえず、彼の手を握る。
「ありがとう…」
「うん…」
「覚えててくれて…」
「え…?」
「覚えててくれてありがとう」
「……うん」
ちょっとよく意味がわからないけど、とりあえず私は頷いた。