第1章 青い長男の場合「 大切な物 」
「教えてあげよっか、オイラの探し物」
「……、うん?」
そう言って、私を抱いていた腕を緩める。
彼を見上げると
いつもの眠そうな泣きそうな顔じゃなくて。
「?」
私の名前を優しく呼びかける彼の右手には
小さな青い箱。
「これが、大切なもの?」
「そ、オイラ達にとって大切なもの」
「私も?」
「うん、も」
「開けてみて」
そう言われて小さな箱を受け取った。
「んふふ、ほらまたすぐ泣くんだから」
小さな箱の中身にはダイヤが輝く
プラチナリング。
「これからも…ずっと傍にいてくれる?」
涙が止まらない私は
返事をしたくても出来なくて、
うんうん、と何度も頷くと彼はまた
いつもの柔らかい笑顔で
私に優しいキスをした。
FIN.