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嵐さんのプロポーズ

第1章 青い長男の場合「 大切な物 」










普段なら帰って来てすぐに
「ただいま~」と言い。

いつもの気の抜けた笑顔で
抱きついてくるはずなのに。



どうしたんだろう、
やっぱり来たのがまずかったかな

と私の中で彼を気遣う不安が駆け巡る。





私の質問に「いや何もないよ」と言う彼が





「あーのさ…、この辺、何かなかった?」

と様子を伺うような。





「なにか…、」



なんだろう、何かあったかな。

何にも思い出せないが
曖昧すぎるその質問は彼らしい。




「あ、ごめん…なんだろう。大切なもの?」

「あー…うん、まあ。
 いや、見てないんなら、大丈夫」

「…そっか」

「おう」





その答えが、凄く寂しかった。




久しぶりに会えたのに、
いつもみたいに抱きついてこないし。

ご飯のいい匂いに反応しないし。

なんだか秘密の物があるみたいだし。








「智くん、なんか今日変だよ」

「え?変、かあ?そお、かなあ…そおかも」

なんて1人で口を尖らせる彼が可愛くて。







「ふふ」

「あー笑った、なんだよお」




久しぶりに会えたんだから、寂しいだなんて
マイナスなことは考えないようにしなきゃ。



彼がこうやって傍に居てくれるだけで








「ううん、私、幸せだな、って」







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